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在日朝鮮人帰国の夢
朝鮮の愛国者は朝鮮への帰国を望んでいる。
それならばなぜ帰国しないのか。
理由は言うまでもないが事実として祖国は貧しく自由もない、また帰国同胞は当局に監視対象にされるなど厳しい現実があるからだ。
たとえば祖国で自由に学べて自由に仕事ができて自由に読書やネットができる社会ならば、われわれにとってそれよりもいいことはないだろう。そしてもしそうなれば多くの在日朝鮮人が帰国するだろう。わざわざ日本にこだわる理由などない。
過去には帰国事業が行われていた。
在日朝鮮人の帰国事業
1959年8月に朝鮮赤十字会と日本赤十字社が協定を結び、1959-1984年にかけて93,340人(そのうち少なくとも6,839人は日本人妻や被保護者)が永住帰国した。
当時は情報がなく「社会主義の理想郷」という朝鮮労働党・朝鮮総連の宣伝を信じてしまったのだ。
だんだんと祖国の実情がもれ伝わってきて帰国希望者は減少し打ち切られた。
現実問題としてまだ帰ることはできない。
南朝鮮ではダメなのか
それでも朝鮮を支持し南朝鮮を支持しない理由を書き出してみる
- 朝鮮は日本の植民地支配に反対して祖国を取り戻す戦い(闘い)をした勇気ある主体的な人々が建国した国だから朝鮮民族の国家として正統性がある
- 対して南朝鮮は戦後、日帝時代の軍人が軍人へ、警察官が警察官へなど親日派が引き継ぎ新たな統治者であるアメリカに迎合し追従する事大・教条主義的な人々が建国した国だから朝鮮民族の国家として正統性がない
- 国防面でも朝鮮は核武装や全国要塞化・準軍事組織など自主国防しているが、南朝鮮は国連軍など外国の軍隊が駐留し戦時作戦統制権も外部勢力にある
- 朝鮮半島は伝統的に地域対立や階級差別があるが、朝鮮は対立・差別の元凶にもなる立ちおくれた宗族制度や本貫を廃止している
- 対して南朝鮮は民主化し経済的には豊かになったが“現代の両班”財閥による支配・下の者には何をしてもいいといった前時代的な立ちおくれた価値観が散見される
- 朝鮮では立ちおくれた儒教思想はなくなったが南朝鮮では色濃く残っている
- 朝鮮は発展途上国だが主体的に発展しようと未来をみすえているが、南朝鮮は周辺国との歴史問題などにこだわり過去に生きていて発展性がない
要約すると
朝鮮は貧しい発展途上国だが主体的で発展性があり未来志向である。
南朝鮮は経済的に豊かだが事大・教条主義的で主体性・発展性がなく過去志向である。
見事に対称的である。
しかしイデオロギーで対立して相手を批判しているだけではいけない。
なぜなら どちらも同じ朝鮮民族がやっていることであり、 どちらもわれわれの民族性が反映されている一つのコイン(民族)の表と裏だからだ。
ヘーゲルの弁証法的に考えるとわれわれはこの対立する正(テーゼ)と反(アンチテーゼ)を止揚(アウフヘーベン)させ統合(ジンテーゼ)させなければならない。
朝鮮人であるかぎりこれは他人事ではなくわれわれ在日同胞もみな当事者である。南や海外の同胞は物質的には豊かになったかもしれないが、われわれ朝鮮民族はまだ抑圧から解放されていない。
われわれ在日朝鮮人がやるべきこと
まずはマクロなことは考えなくていい。ミクロな視点で各々がチュチェを確立し発展していけばいい。一にも二にも読書し勉強して考え、見識を広げ、論理的思考能力を高め続ける。
社会人になっても勉強し続ける。無知に終わりはない。一生学び続ける。
頭がよくなれば経済問題も解決できる。
自由経済では環境が貧困を生み出すのではなく、無知が貧困を生み出す。犯罪・反社などは論外だ。
また無知が発展を阻害する。頑張ることと頑張らなくていいことを考えてジャッジする能力も重要だ。
消耗戦を避けかぎりある貴重な時間とエネルギーを有意義で発展性のあることに使い、必要な時存分に使える能力と経済力を高めていくことがわれわれ在日朝鮮人のやるべきことなのではないだろうか。